アイテム PR

iPad Pro 2020を1ヶ月使ってみた感想

iPad Pro 2020を1ヶ月使ってみた感想
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは、イラストレーターの北川です。

iPad Pro 2020が発売日に届いて1ヶ月が過ぎました。

1ヶ月間(正確には1ヶ月と1週間ちょっと)使ってみて実際のところどうよ?

という声を、周りのiPad Pro気になってる勢からチラホラ聞くようになったので、僕なりの使用感をまとめてみました。

なおiPad自体を初めて購入したので、以前のモデルとの比較などはできません。ご了承ください。

それからYouTubeのほうでも同じような内容で語ってみました。もし動画の方が良ければご覧になってみてください。

イラストのラフ制作が超絶便利になった

iPad Pro(2020年モデル)

さて、僕は普段いわゆる商業イラストレーターをしていて書籍などにカットを描いたりしているんですが、iPad  Pro購入以前は主にスケッチブックスケッチブックにラフ画を書いていました。

スケッチブックに鉛筆でラフを描く行為自体は別に嫌いではありません。サラサラと鉛筆の赴くままに描くのは楽しいですし、思ったよりも、なんなら本番よりも上手く描けることもありますしね(悲しいですが笑)。

ただ一つアナログなので難しいのが、ラフスケッチを描き上げてからの微修正なんです。

夢中で描いていたら、いい絵なんだけれどもちょっっっっとだけ顔と身体のバランスがおかしい。なんて時、アナログなので修正がかなり面倒です。

家にトレース台トレース台なんかがあれば新しい紙を重ねてちょっと微修正しながら描き直すこともできるんですが、それもちょっと面倒ですし、そもそも出先でトレース台がない時なんかは悲劇です。

その点iPadなどで描くデジタルのラフなら、一部だけを拡大・縮小したりしてバランスを整えるのが容易にできてしまいます。

それから、ラフが描き上がった後のMacへの取り込みも超絶便利です。

iPad Pro購入までは主に

  1. アナログのスケッチブックスケッチブックに鉛筆でラフ画を描く
  2. スキャナでMacに取り込む

という方法でラフ画の作成と転送をしていました。

今回iPad Proを購入したことでラフ画の作成を完全にデジタルに切り替えてみようと思いました。すると流れ自体が次のように簡単になりました。

  1. iPad ProのProcreateというアプリでラフ画を描く
  2. AirdropでiMacに転送する

このように書くと、工数は同じですが、以前の❷の工程が

  • スキャナの電源をONにして
  • スケッチブックをセットして
  • スキャンソフトを起動させ
  • 設定をいじってスキャンして保存

という結構面倒くさい細かい工程に分かれるので、ちょっと面倒でした。

ところがAirdropでのiPad ProからMacへの転送は、ラフを描いているソフト側でわずか3タップほどでできてしまいます。かかる時間も数秒〜10秒といったレベル。

このスピードは革命的です。

お仕事イラストでも使用可能

この1ヶ月間、iPad Proを使ったのはイラストのラフ制作だけではありません。

本当はもうちょっと使い方を勉強したり慣れてから仕事で使おうかなと思ってたんですが、ちょうど仕事で使える機会があったので、書籍の挿絵を描いてみました。

使用したのは「Procreate」というアプリ。

買い切り1,220円という破格の値段ながら、デジタルイラストレーションでできることのうち、かなり多くのことがこのアプリで出来てしまいます。

Photoshopのブラシを読み込めたり、グリッド表示や1〜3点透視図のガイド作成とスナップ機能など、めちゃくちゃポテンシャルの高いアプリなんです。

僕が今回描いたイラストは白黒の線画のようなイラストなんですが、アナログ感を出しつつ修正のやりやすいデジタルで描けるというのはかなり魅力的でした。

ただしProcreateのCMYKモードはまだバグがある模様で、塗り潰しをしようとすると意図せぬ色のズレが出てしまうようです。おそらく近日修正が入るとは思いますが、もし今お仕事でProcreateを使いたいという方がいらっしゃったら、その点注意してください。

Sidecar(サイドカー)の使い心地はまだ微妙

Sidecarを使ってPhotoshopでイラストを描いている写真

最後に、iPadをMacのサブモニターとして使える『Sidecar』という機能も使ってみたので感想を。

Sidecarを使ったイラスト描画は、あまり使い心地は良いと感じませんでした。

僕がやってみたのはiPad Proでデスクトップ版のPhotoshopウィンドウを表示させ、液タブのようにして使うということでした。

結論を言うと、たぶん液タブの使用感には及ばないんじゃないかな…というのが僕の意見です。

そもそも最近のPhotoshopは、ある程度大きなモニター(20インチ以上など)で使われることを前提としたUIなわけで、iPad(12.9インチ)に持ってきても狭くて描きづらい印象が強かったです。

あとはペンの反応もちょっと硬すぎるというか。Procreateでは気にならないんですけどPhotoshopで気になるのは、普段PhotoshopをWacomのペンタブ(Intuos Pro)で使っているからかも知れませんが。

ま、Sidecarの使用感については今後のソフト側の進化に期待したいと思いました。

iPad ProをSidecarでサブモニターとして使っている場面

このようにモニターの拡張として使うだけなら比較的便利だと思いますが、ちょっと不安定かなという印象もあります(途中で反応しなくなったり)。